チャレンジャーの価値 - 秋田県大館市
大館市のAsterisk案件の記事。ひさしぶりに元気がでてくる記事を読ませていただいた。タイトルはおそらくは「釣り」なんだと思うが、この案件ですばらしいのは「2億の案件が820万で済んだ」というところではない。
当事者意識を持って技術検証し、熱意を失わずに進め、さらに障害対応までも自分たちで汗をかき、その結果もたらすシナジーという価値が、この案件においてはその差額、1億9180万円と評価できる、というひとつの数字をたたきだしたことだ。他の方法を出せる業者がいなかったんだ、とかいうところではない。これは現状のランニングコストの計算などを元にしたTCOの差で金額見積する計算方法ではまた異なるだろうが、「変化させてやるぜ」というチャレンジするエネルギーとそれをささえる暗黙の世界にある「確信」こそが「革新」すなわちこういうプロジェクトの成功のキモなのに、TCO比較やDCFではそこは計算できない。
技術的には、運用のこのTIPSを明確にしたことにはものすごい価値がある。
障害は1度だけ発生している。稼働後約1カ月ほど経過したころ,メンテナンスのAsteriskサーバーを停止したところ,各IP電話機からのARP(Address Resolution Protocol,IPアドレスからMACアドレスを問い合わせるプロトコル)が大量に送信され「ネットワークが落ちた」(中村氏)。ARPパケットが1秒間に1度流れる仕様になっていたため,設定を変更しARPパケットの間隔を長くすることで再発を防止した。
そして、3ページ目にある取材した記者の思い。
可用性,見栄え,担当者の手間,何を“捨てる”ことができるのか。・・・そして,代替手段を探し当て,自分の手を動かしてそれを検証できるスキルはかけがえのない武器になる。それが大館市の挑戦と成功から学べることではないか,と記者は考えている。
ここ。「かけがえのない武器」。いいね。でも、もうちょっと大きめに表現してやってもいいはずだ。「プライスレス」とでも。