おれ、Nintendoの岩田さんファンよ。

任天堂の岩田さんがすげー。まずはその真骨頂、任天堂の株主総会資料、を読むべし、でしょうね。

ゲーム市場開拓の急先鋒としてのみならず、戦略→戦術の流れを話すプレゼンのお手本としても評価されるものだ。この、DSiの機能の戦術と戦略を結び合わせる流れなどは、ほんとに惚れ惚れする。

ニンテンドーDSiの発表後、DSiは、カメラ機能や音楽プレーヤー機能で、携帯電話やiPodPSPに対抗しようとしている、という論調の報道もありましたが、これは、必ずしもDSiの本質を正しくお伝えいただいたものではありません。
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DSiではカメラと音をさわって遊ぶという、全く新しい進化の軸を提案したという意識はあるんですけれども、それは、他社さんの製品に対抗しようという意図ではなく、自分専用のDS、「マイDS」にしていただく狙いのもとにつくられたものです。
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「一家に1台」から「1人に1台」への流れ、すなわち、既にDSをお持ちの世帯に、DSを触っていただいているお客様の数に応じたDS本体を普及させる努力をする、ということも、あわせて行っていきたい、それが私たちの目指す、次なるチャレンジです。
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だからこそ、ニンテンドーDSiのような仕組みが必要になるわけです。

内容に同意するかどうかというより、この「・・・」で略したあたりにある、詳しいデータの上での根拠(定量的根拠)と、直感的な、定性的根拠の両方も引き出している。詳しくはこのプレゼン全体を読んでみてもらいたい。シンプルなスライドが流行っているとはいえ、こんなに中身が肉厚でわかりやすい決算説明会プレゼンテーションは滅多に読めない。*1

で、この任天堂社長の岩田さんは私の知る限りでは、ブログをやっているわけでも、直接本を書いてるわけでもないんだよね。*2

早くも1999年に、糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞が引っ張り上げてくれている。

岩田さんは、絶対にぼくらが忘れないような、
すっごいことを言うことがある。
◆「プログラマーは、ノーと言ってはいけないんです」
そのコトバは、こう続く。
プログラマーができませんと言ったら、
せっかくのアイディアが出しにくくなりますからね。
プログラムしやすいことばっかり考えていたら、
枠を超えたすばらしいアイディアなんて出ませんからね」

そうだよね、情報処理と情報科学は違う!「実現するだけ」の情報処理が、目的を阻害してどうするよ、てめえらその道のプロなんだろ?ということなんだよね。

「できる!」とプログラマーから聞くとうれしくなる。「それPlaggerでできるよ」とか、実現意欲の塊の流れがあるとそこには循環作用としてさらにアイデアが集まる。codeなにがしの「教えて助けてコード書いて!」のコーナーで「そんなもんできません」というオチになっているものも見たことがない。

1101.comの「任天堂の岩田社長が遊びに来たのでみんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ」特集もリンク張っておこう。アイデア→物作りの流れについての岩田さんのものすごさは何度読んでも心に染みいる。*3

第一回より

なにかをつくるときって、
「あちらを立てればこちらが立たず」
という問題がつねにあるわけです。
・・・
「これは、こうだから、こうしたらいいんです」
って、ひとつだけ改善したとしても
全体を前進させることはできない。
・・・
でも、ときどき、たったひとつのことをすると、
あっちもよくなって、こっちもよくなって、
さらに予想もしなかった問題まで解決する、
というときがあるんですよ。

最高だ。なんてわかりやすく、含蓄のある言葉を出すんだろう。そこまで考えるから何を作るにしても「手応え」が明確なんだろうね。

価値のあることはWEBに書かれているとは限らない。情報と社会への影響の観点では、インターネットで世の中が動いていると言い切るにはまだ早い。位置エネルギーを上げてくれてありがとう、糸井さん。

で、この岩田さんについての日記を書くことによって、私が解決したい複数の問題への1つのアプローチになっているような気がするわけだけど。それでも、私にも直接いろんな学びをくれる人がたくさんいる。こういうピックアップで字に残していかなきゃね。

*1:そうそう、この「読める」ってすごいね、と思う例でもある。

*2:mixifacebook、LinkedInにおられるかどうかは知らない。

*3:恐らく内容的にも予想外のボリュームだから心して読むように。