このご時世に右肩あがりなものを10個、必死こいて探してみた

株価の下落、失業者の増、人口の減、などいろいろあるが、質量保存の法則からすれば、減の裏に増、激減の裏には激増があるはずだ。だとすれば、「不景気」を活動減退の直接的な原因とするのは安直ではないか?との仮説のもと、ざっと右肩あがりを表しそうなキーワードで検索して10個挙げてみた。

1.走る人の増。(東洋大往路優勝おめでとう)

9月22日(月)で締切りました「東京マラソン2009」の申込状況は以下のとおりです。
申込者数合計 261,981人 (前回比 68%増)

  • 第1回9万人、第2回大会が15万人、そしてついに26万人。

 この冬、マラソンやジョギング大会の参加者が全国的に増えている。健康志向が高まる中、お金を掛けなくても手軽に始められるところが人気のよう。競技を目指す本格派ランナーも増えた。不景気で物が売れない中、ランニング用ウエアなど専用グッズが売れており、マラソン特需の兆しも出ている。

  • 皇居、公園、川沿い。走ってる、走ってる。

東洋大は山登りの最終5区で、9位でたすきを受けた1年生の柏原が4分58秒差を逆転する驚異的な走りで区間新記録をマークし、首位に立っていた早大を逆転した。

  • 初夢が78分台で上がれるというものだったらしいけど、実際は77分台だったというかっこよさはハンパじゃないね。
  • ポスト今井くんの不在懸念は杞憂だったようだ。新しいパワーはまだまだ出てくる。

2.家計消費の改善

糸井 とつぜん、おせち人気に火が。
タモリ 対昨年度「同じ」で「増えてる」時代ですから、
9%増ってのは‥‥おそろしいことです。

  • おせちの売上が9%増らしい
  • 自宅派の増という解釈でいいかな。材料生産者は、生産性さえ担保すれば需要はある。

「不況の影響で、大型家電があまり売れない分、低価格の調理家電がよく売れています。外で飲むのが好きな人でも、我が家での一杯に切り替え、安く済ませているのでは」と話す。

 東急ハンズ渋谷店でも、大きめのたこ焼きが調理できる家電などが家族向けによく売れているという。

 「やきとり屋台」を製造している「三ッ谷電機」(新潟県燕市)によると、今月の売り上げは、前年比で2割増。

  • 調理家電、屋台器具の売り上げ増。
  • 2009年はビジネスマンでもホームパーティブームが来るのでは。

年末年始の帰省や正月休みを利用した旅行の足として、レンタカーの人気が高まっている。
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 ガソリン価格の下落や高速道路各社がETC(自動料金収受システム)の利用による割引を拡大したことが背景にあるとみられ、景気の悪化で新車や中古車の販売台数が落ち込むなか、レンタカー業界は安定した需要を維持している。

  • プチ・レンタカーなんてのもちらほら見かけるようになった。

3.美味系消費は好調。カニ、マグロ

年の瀬の30日、東京・上野の「アメ横商店街」は、カニ数の子など正月用の食材を買い求める親子連れらでにぎわった。

 同商店街連合会によると、「不況の中、『アメ横で安いものを買いたい』という人が多いのか、人出は例年より増えている」といい、この日も約48万人が買い物を楽しんだ。昨年は大みそかまでの5日間で166万人が訪れたが、今年は180万人に届く勢いだという。

 年の瀬を迎え千葉県・銚子漁港が正月用マグロの水揚げでにぎわっている。銚子市漁協によると、08年の水揚げ額は21年ぶりに300億円を超える見込みで、水揚げ量も「4年連続の日本一」と景気がいい。

 第1魚市場では25日、四国・九州地方のマグロはえ縄漁船8隻が捕獲したメバチ、キハダなど約2400匹を取引。100人を超える仲買人が型や脂の乗り具合を見て次々と競り落とした。

  • 激減といえば毎日.jpの広告。ちょっとは張られるようになったね、とかそういう話ではなくw
  • 年末、アメ横でも築地でも、月島のローカルスーパーでも、マグロは十分の量売られていたね。
  • 家計統計で減少傾向とは言え、10%も変わっていない。使われなくなった金が他で使われているという仮説は成り立つように思う。

4. 個人投資家急増ふたたび

個人投資家の取引が7割を占める大手インターネット証券5社(SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券カブドットコム証券)の10月の口座開設数は、前月9月に比べて2倍の約6万口座と、過去2年で最も口座数を増やした。

外国為替証拠金取引(FX)が「復活」してきた。日本銀行によると、2008年第1四半期のFX取引高(買いと売りの合計)は230兆円で、06年第1四半期と比べて4倍に膨らんでいて、この1年間でも倍増しているという。また、矢野経済研究所は2009年3月末の市場規模(証拠金残高の総額)を9060億円とみている。主婦やサラリーマンなどの個人投資家が増加している一方で、FXでも1日に何度も売買するデイトレーダーが急増している。

  • 「ふたたび」と書いたところがポイント。
  • デイトレーディングは投資ではない。ゲームだ。

5.お手軽海外旅行へ。成田利用は地方空港+ソウルへシフト。

世界的な経済の混乱に伴い円高ウォン安が進んだ影響で、年末年始の韓国旅行が人気を呼んでいる。不景気で近場へ出掛ける人が増えたこともあり、新潟空港発着のソウル便は年始までほぼ満席。同空港から毎日1往復直行便を運航する大韓航空によると、「日本人搭乗客が昨年に比べて7、8割増えている」という。

 人気の背景は米ドル安に伴うウォン安だ。

高松空港を発着する高松ーソウル便が12月に入って好調だ。世界的な金融危機に伴う急激な円高ウォン安の影響で、韓国旅行へのお得感が高まり、香川県内利用客が急増。12月の搭乗率は22日現在で、前年同月に比べ13・5ポイント増の75・0%となっており、年末年始も80%を超えている。

  • ウォン安影響と一般的に言われるが、関東圏の空港がボトルネックになっている中、地方空港の空港使用料の安さや誘致作戦で韓国の航空会社が地方空港に乗り入れている、という背景もある。
  • ソウルが成田に替わって欧米便へのハブにもなってる。成田、羽田を経由しない外国旅行ルートの増。

6.自己に投資するサラリーマン

急速な景気の悪化で、上場企業といえども安閑としていられない時代。いざというときに備えて「自己投資」に励むサラリーマンが増えている。

  • 競争力を身につけるなら今しかない、という考え方は前向きだと思う。
  • しかし、自己啓発したもののチャンス到来を待つ姿勢では難しい。リスクとってチャレンジしない人に投資回収はない。

車輪付きのかばん(キャリーバッグ)の取り扱いに配慮してほしい、と呼びかけている。スーツケースも含め、様々な大きさや形の商品があり、売れ行きは好調だが、利用者が増えるにつれてぶつかったりつまずいたりするトラブルも起きやすくなっているという。

 「最近、キャリーバッグによる接触事故が発生しております……」

  • 軽量化の動きだと言われる一方、ビジネスマンの荷物が重くなり、増えている。
  • 移動荷物の重さの増。持ち歩く本が増えてるんじゃないかな。

7.ホームレス支援施設の利用増。

「派遣切り」など非正規労働者に厳しい年の瀬となっている中、就労を希望するホームレスに無料で宿泊場所や食事を提供するホームレス自立支援センターの利用が急増している。

 東京都と大阪など8政令市に計24か所あるセンターの利用率は3月に64%だったのが、今月下旬のデータでは83%になった。若者が増えており、東京都と横浜、堺、北九州の各市は9割以上が埋まっているという。

  • ちょっとまて、今までの需要は何を前提にしていたのだろうか。稼働率が低かった、ということ?
  • 支援施設に、能力のある人が、時間は十分ある人が集まると何かが起きる。

インターネットカフェを「住居」として住民登録し、派遣などで働いている人がいる。「ここを足場に次のステップにつなげてくれれば」と、カフェの経営者。ただ、ネットカフェ難民らをターゲットにした「貧困ビジネス」に直結しかねず、「大切なのは生活を安定させる手だてを考えることだ」と、指摘する声もある。

8.全国的な高齢者の刑法犯増

「背景には、高齢者が追い詰められている社会がある」と鳥越俊太郎(ジャーナリスト)

同課によると、最近10年間の高齢者による犯罪は、殺人、強盗などの凶悪犯罪の摘発件数は横ばいだが、万引は男女とも右肩上がりで急増。犯罪摘発件数の半数以上を占め、03年に200件を突破して以降、高水準で推移している。 

最近10年で最悪ペース 万引き85%

 県内で窃盗容疑で摘発される65歳以上の高齢者が増えていることが、県警のまとめで分かった。

  • どうしたことだろう。高齢者を細分化して分析しないとわからないかもしれない。経済圧迫がひきがねのわりには、振り込め詐欺は年々増えてる。
  • 犯罪といえば、ひったくりなどは17年ぶりに減少しているらしい。依然、大阪がワースト1ではあるのだが。
  • これはあながち金融危機だとか就業状況とかとは直接関係性があると言えない現象ではないか。

9.中国株下落も、まだまだアクティブな中国人。日本への旅行者・日本定住者の増。そしてクレジットカード発行数激増。

日本政府観光局(JNTO)が24日発表した11月の訪日外国人旅行客数(推計値)は、前年同月比19.3%減の55万3900人と大幅に落ち込んだ。前年割れは4カ月連続で、減少幅は新型肺炎(SARS)が流行した03年6月(20.1%減)以来の大きさ。世界的な景気後退と円高に直撃された形。

 主要国・地域別では、訪日旅行客トップの韓国がウォン安の影響で46.2%も減少。シンガポールは22カ月ぶり、フランスも32カ月ぶりに減少に転じた。増加したのは中国、香港だけ。

  • 中国、香港からの来日増

2008年12月22日、在日中国人向け新聞「中文導報」は、日本で暮らす中国人の数は75万人を超えたと報じた。中国新聞網が伝えた。

記事によると、昨年1年間に日本国籍を取得した中国人は10万5813人で、永住者は12万8501人に達した。特別永住者は2986人増えて初の13万人台を突破。日本人の配偶者は5万6990人、永住者の配偶者は5212人増えた。日本に定住する中国人の数は43万人を超えるという。

  • 外国人移住者の増につながるか・中国人定住者の増

中国でクレジットカードの発行が急増している。中国人民銀行中央銀行)が30日に発表したクレジットカードの発行枚数(9月末時点)は1億3145万枚と前年同月末比で7割増加した。学生や所得水準の低い人でも加入可能になったことが急増の背景にあるとみられる。国内消費を喚起する効果が見込まれる半面、金融機関の貸し倒れリスクにつながる懸念もある。

  • これは注目だ。中国でのクレジットカードの規制緩和。オンラインコマース、ネットショッピングにも影響ありそう。

10.地方での変動。人口シフト・議員年金・外国人

全国の市議会議員と東京23区議が退職後に受け取る議員年金が2012年度にも破綻(はたん)する見込みであることが、市議会議員共済会(東京・平河町)の試算で分かった。

 平成の大合併で町村が市に移行するなどし、受給者が急増したのが主な原因。同共済会と総務省では、公費負担率の引き上げも含めた制度見直し案を検討中だが、公費負担額は07年までの10年間だけでも1100億円を上回っており、議論を呼びそうだ。

  • 自治体議員の受給破綻が2012年。おじさんたちは金になる既得権益の囲い込みに必死になるのでは。
  • 郊外への分散傾向は、人口移動需要をもたらすものの、人口集中時代とは明らかに異なる。
  • インターネットでのサービス・価格比較、ガソリンなどのコスト変動でこの業界は大変だ。松本引越センターが破綻した。

外国人市民会議を設置して外国人市民の意見を聞き、行政の施策に反映していこうという自治体が、外国人居住数の多い関東、東海、関西地方を中心に少なくとも16都府県に広がっていることが分かった。いずれも外国人市民の地域社会への参画を促し、多文化共生のまちづくりを目指している点が共通している。外国人人口は近年増加の一方だけに、多文化共生志向は今後さらに広がっていくものと見られる。

  • 外国人市民会議の増につながるわけだ。
  • 外国人居住者への行政改善のため、地方自治体での外国人雇用も増えていくようだ。

サマリ

  1. 走る人の増。(東洋大往路優勝おめでとう)
  2. 家計消費の改善
  3. 美味系消費は好調。カニ、マグロ
  4. 個人投資家急増ふたたび
  5. お手軽海外旅行へ。成田利用は地方空港+ソウルへシフト。
  6. 自己に投資するサラリーマン
  7. ホームレス支援施設の利用増。
  8. 全国的な高齢者の刑法犯増
  9. 中国株下落も、まだまだアクティブな中国人。日本への旅行者・日本定住者の増。そしてクレジットカード発行数激増。
  10. 地方での変動。人口シフト・議員年金・外国人

わたしの結論

何かが減ると、何かが増える。人がいなくなると、どこかに集まってる。投資効率性、必然性が高いモノに集まってる。需要の減が景気の減、とはあながち結びつけられない。一旦大きく減退トレンドになったものがV字回復することを「景気回復」としてはいけないようだ。そこにウルトラCはない。むしろ、より妥当性の高いものを生産的に仕上げていかなければ競争力を失うと思った。

若干の追記

「ちゃんとした根拠がある」にこだわったので、ぶっちゃけ結構真剣に、10個にまとめるのも「必死こいた」んですが(^^;、我ながらとっても勉強になりました。だって、それぞれは別々なものではなく、どこか因果関係がありそうだもの。右肩あがりのものに敏感に反応するアンテナをそれぞれが持ち、シェアするようになると、2009年は何かが変わるのではないかと希望する次第です。