都心の買い占め行動に見る群衆の集団化とリスキーシフト

3月16日の@okdtのtweetを記録用にまとめたものです。*1

都心、近県の買い占めは、不安解消策がないための代償行動による代理満足がベースにある。論理的な危険回避につながるものではない。これは群衆の叡智ではなく集団の極性化(リスキーシフト)。

今回の場合、自分で情報を咀嚼し結論を出せるタイプの人は共感がないのは、冷静に見れば生活に必要なものはまだまだ十分手に入ることや社会システムの流れを知っていることから不安をコントロールできるため代償行為が必要ないため。

代理行動をとる点で極性化した集団を直接なだめる努力をしてもネットワーク効果が強いため、大抵むなしい結果になる。東京電力に気休めを言ってもらっても意味がないし、そのうち物流が回復しますよ、とか言ってもダメ。

ファシリテータはガチで代償行動を否定するよりも、現実を別の角度から可視化して示すこと、また驚くほど日常通り振る舞う(生鮮食品をおいしくいただくなど)ことなど、別の方策で発信したほうが、割りに早く集団極性の催眠術から覚めた人へのインフルエンサーになれる可能性が高い。

ここで問題は、代償行動からの回復よりも先に根源の不安が解消されず、しかもその代償行動の矛先がなくなってしまった(もう買い物ができないなど)ときに、別の代償行動に集団的に遷移するという危険です。

現在、I.L. Janisの言う「集団浅慮(Group Think)」に近い状態に陥りやすい状況が発生していると言えます。この発生要件をしっかり調べると、対応策ふくめ、面白いことがわかります。金井壽宏先生の「経営組織」という本にも図示されている。

集団浅慮(Group Think)のメカニズムについての資料を抜粋して掲載。「欠陥のある意思決定の症状」の逆を実行すべきことに気付くはず。Crowdsourcing basic20090515-pickup http://slidesha.re/gz34jF

ちなみに、資料として使わせて頂いた「経営組織」の著者、金井壽宏先生のtwitterアカウントは @tkanai1954 でございます。いい時代になった。

*1:3/26にここに掲載しましたが日付は3/16にしてあります。