M-1グランプリのNON STYLEをSWOT分析してみた

SWOT分析= 内的状況(強み、弱み)x 外的環境(機会、脅威)

  • 強み S strength 本番の強さ
    • ストリートから鍛え上げた場数、練習数
    • 上下左右のしがらみの少なさ
    • べしゃり能力・バランス
    • 見合うルックスとキャラク
  • 弱み W weakness 独立・競争的
    • 強くみえるバックアップ組織のなさ
    • 模倣不能な一発ギャグ、鉄板ネタのなさ
    • 知名度の低さ
    • フリートークが弱い(と言われていた)
  • 機会 O opportunity 飽きの早い情勢
    • 新規性のあるキャラクター、笑いを探す風潮
    • お笑い番組が2008年末までに微増したこと
    • 吉本NSC系以外の芸人の台頭
    • 島田、松本の吉本NSC系へのがっかり感
    • YouTubeニコニコ動画などによる露出、mixiなどの自走コミュニティ
    • お笑い芸人の用途の拡大(俳優、バラエティなど)
  • 脅威 T threat 需要の変動
    • TV視聴の減衰傾向
    • 漫才番組市場、バラエティ番組市場の競争環境の激化
    • 新旧交代のスピードの速さ
    • 事務所保護、営業力の変動これは需要次第。
    • ネットでの動画閲覧→新ネタ制作プレッシャーへ

そこで、取り得る戦略を分析してみた。

  • 成長分野 S x O
    • 新規性がある、妙な癖がない、しがらみも少ない元気のあるキャラクターは、TV番組からすれば使いやすいし、フットワークも軽く行ける期待がある。他の芸人との横並び感が薄いだけに、ギャラ(収益性)の競争力は需給状況次第でイニシアチブを取れるだろう。
  • 注力分野 S x T
    • お笑いTV番組で漫才ステージに立ちまくっていると、聴衆の飽きが来るのが早くなるリスクがあるので注意。もう少し、真似しやすいネタを2,3仕込んでもいい。
    • 需要依存で事務所営業力を強く期待できない分、謙虚な姿勢で現場スタッフに評価される骨太かつ地道な営業展開が必要だと思われる。
    • 鉄板ネタで一発屋になる系ではないので、落語協会文化庁などを通し、プロとしてのスキルを明確化していく手段もある。
    • 全国ライブツアーの計画的継続、ラジオ出演、ブログやPodcastingを導入する。
  • 課題分野 W x O
    • 当初は新規性があるために爆発的に注目されるが、それを継続するには成果を積んでいかなければならない。
    • 良いブレイン、たとえばネタ作家、コミュニケーショントレーニングを受けることで弱点を補完すること。
    • 最初はがむしゃら戦略で良いかもしれないが、体力、気力のメンテナンスを欠かさないことが事業継続につながる。
    • ファン囲い込み戦略に特化する必要もないかもしれない。
  • 警戒分野 W x T
    • これまでは全体的にTVの減衰はお笑いブームよりはスパンが長いので短期的には問題なかったが、2010年が近いため警戒は必要。
    • お笑いのステージは個別タレントを好む人たちの凝集性が高すぎるため、ステージに立っているだけでは、需要の減衰に気がつきにくい。
    • ネタの制作が需要に追いつかなくなるときつい。
    • 何か奇抜で意外な媒体での市場コミュニケーションを検討できる。おもちゃ、グッズ、ゲーム、伝統文化関連、外国語マーケットなど。